著者
小出 淳貴 森田 一三
出版者
日本赤十字豊田看護大学
雑誌
日本赤十字豊田看護大学紀要 = Journal of Japanese Red Cross Toyota College of Nursing (ISSN:13499556)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.45-54, 2019

わが国では、肺炎に罹患して死亡する高齢者が増加し、2011 年に死因別死亡者数で肺炎が脳血管疾患を抜いて第3 位となった。今後、肺炎治療が社会保障関係費を圧迫することが懸念される。肺炎の都道府県別年齢調整死亡率は1 位と47 位の県で差異があるが、その背景については十分に検討されていない。そこで、各都道府県における医療・社会環境と肺炎の年齢調整死亡率との関係を明らかにすることを目的とした。都道府県別の肺炎年齢調整死亡率と医療・社会環境の相関を分析した結果、人口10 万人当たりの准看護師数、准看護師率、医療施設数に相関がみられた。准看護師数、准看護師率が相関した背景の1 つに、看護師との教育の差が推測された。看護学学士号を持つ看護師が多い医療施設は患者死亡率が低下するなどの先行研究から、看護師教育の充実化や看護学学士号を持つ看護師を増加させることが肺炎の年齢調整死亡率の低下をもたらすことの可能性が示唆された。

言及状況

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肺炎の都道府県別年齢調整死亡率と人口10万人当たりの医師数,歯科医師数,看護師数,准看護師数との相関を調べた結果,相関があったのは准看護師数のみであった。 あくまで個人的な予想ですが,経管栄養/食事介助/口腔ケアを行うマンパワーが関係しているかもしれませんね https://t.co/jLMkt01NaO

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