- 著者
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大喜多 紀明
- 出版者
- 北海道言語研究会
- 雑誌
- 北海道言語文化研究 (ISSN:18826296)
- 巻号頁・発行日
- no.17, pp.19-36, 2019
本稿において、樺太アイヌ民族である浅井タケを話者とする2編の口承テキスト(「水汲みの話①」および「水汲みの話②」)を分析したところ、当該テキストは交差対句により編成されていることがわかった。さらに、かかる交差対句の編成には、述語的論理が優先されることが確認できた。また、当該テキストの場合、こうした述語的論理がストーリーの編成に対しても影響を与えていることがわかった。併せて、本稿では、交差対句の要素対を分類するに際し、主語的対応、述語的対応、主語・述語的対応に基づく手法が有効であることを述べた。