著者
松岡 悠太 中澤 史
出版者
法政大学スポーツ研究センター
雑誌
法政大学スポーツ研究センター紀要 = Bulletin of Sports Research Center, Hosei University (ISSN:21879168)
巻号頁・発行日
no.37, pp.19-24, 2019-03

本研究では,育成年代に該当にする中学生サッカー選手を対象に,ポジションごとのパーソナリティの差異及び傾向を検討した。調査対象者は,中学生のサッカー選手,合計125名(平均年齢13.47 ± 0.93歳:全て男子)であった。個人のパーソナリティを客観視するために開発されたパーソナリティ検査であるエゴグラムを用いて,ポジション(FW,MF:トップ下・サイドハーフ・ボランチ,DF:センターバック・サイドバック,GK)ごとの心理特性を検討した。その結果,FCの自我状態の項目において,FWとボランチ及びFWとサイドバックのポジション間で有意な差が認められた。また,細分化したMFとDFのポジション間でも,それぞれ特徴的なパーソナリティ傾向が認められた。今回の結果から,各ポジション間でパーソナリティの差異及び傾向があることが明らかとなった。このことから,育成年代に該当する中学生において,ポジションの決定や転向を考える際に,技術や戦術,体格という基準に加え,選手のパーソナリティという新たな基準を設けて考える必要性があることが示唆された。

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