- 著者
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鴨藤 祐輔
宮前 珠子
- 雑誌
- リハビリテーション科学ジャーナル = Journal of Rehabilitation Sciences
- 巻号頁・発行日
- no.14, pp.13-28, 2019-03-31
背景と目的:自宅退院した脳血管障害者の中には,想定していた退院後生活と実生活との間にギャップを経験することがある.本研究の目的は,この要因を明らかにし,ギャップを小さくするための作業療法のあり方を検討することである. 方法:回復期リハビリテーション病棟における脳血管障害者7 名に対し想定していた退院後生活と退院後の実生活についてインタビューを行い,質的分析を行った. 結果と考察:退院後生活で想定通りの生活が出来た対象者と,ギャップを感じている対象者に分けられ,想定通りの生活が必ずしも良くないことや,ギャップがあってもポジティブに捉えていることがあった.この要因には,実際的なリハビリの不足と援助者への情報提供不足が考えられた.作業療法では,対象者や援助者と協働して退院後生活に合わせたプログラムを行い退院後も生活が拡大できるように調整することで,理想的な想定通りの生活に貢献できる可能性が示唆された.