著者
佐藤 亜樹
出版者
東洋大学社会福祉学会事務局
雑誌
東洋大学社会福祉研究 = Studies on social welfare, Toyo University (ISSN:21899029)
巻号頁・発行日
no.12, pp.20-31, 2019-07

本シンポジウムでは、ソーシャルワーク分野ではあまり語られてこなかった「人と動物の関係」に焦点を当て、(a)ペットの飼い主は、ソーシャルワークの援助対象となり得るのか、(b)ペット・ロスによる悲嘆を経験している飼い主への専門的援助の実際について、また、(c)ソーシャルワーカーが持つ男らしさ・女らしさに関する価値意識が、ペット・ロスによる悲嘆を経験している(特に男性)飼い主の行動や感情表出にどのような影響を及ぼすのかについて言及した。 ペットを重要な他者と見なし、そこから情緒的サポートを得ている飼い主にとって、そのペットとの関係を無視した専門的介入は、時としてクライエントの生態系内の重要な社会関係を破壊し、最善のサービスを査定し、提供することを妨げるかもしれない。そのことに留意し、援助を行うことがソーシャルワーク援助職には求められる。また、ソーシャルワーク援助職は、自身の男らしさ・女らしさに関する価値意識を自覚し、男性のペット飼育者にも、女性のペット飼育者に対するのと同様に、もしくはそれ以上に、悲嘆を表出する機会を提供することが求められる。

言及状況

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佐藤亜樹:ペット・ロスと飼い主の悲嘆―援助者にジェンダーの視点は必要か― https://t.co/m1sEKDbdAX #CiNii

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