著者
彭 永成
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
no.66, pp.275-288, 2020

本論文は雑誌『ゼクシィ』の歴史変遷を中心に、結婚情報のメディア史について検討するものである。『ゼクシィ』の創刊以前、各種のメディアに散見されていた結婚情報は一冊の雑誌によって簡単に取得できるようなものではなかった。1993年に登場した『ゼクシィ』はそのような状況を大きく変わった。三種類の結婚情報を網羅的に掲載し、画期的な結婚情報メディアとなったのである。1990年代において、『ゼクシィ』の情報発信は花嫁向けの結婚生活の礼義マナー情報に重点が置かれていて、誌上に構築された結婚式の意味合いは「新生活への通過点」にすぎなかった。2000年代に入ると、インターネットの普及によるメディア環境の激変や、社会の結婚文化の変化に対応して、花婿、両親を含めて結婚式の関係者全員に向けのブライダル情報が大量に発信されるようになった。そのため、誌面から読み取れる結婚式の意味合いは「独身脱出のゴール」とのイメージが強調されるようになっている。

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