著者
久崎 孝浩
雑誌
心理・教育・福祉研究 : 紀要論文集 = Japanese journal of psychology, education and welfare
巻号頁・発行日
no.19, pp.19-37, 2020-03-31

本論では,心の理論の中核にある心的状態の自他弁別がいかに発達するのかについて理論的検討を試みた。心の自他弁別の発達における共同注意,一人称的視点,内受容感覚の覚知の働きについて先行研究や有用な理論をもとに議論し,次のことが示唆された。(1)自己の心的状態を主観的かつ意識的に経験できるようになると共同注意場面で視点の自他相違を探知して心の自他弁別を発達させる。(2)心的状態を主観的かつ意識的に経験するためには一人称的視点が必要で,その一人称的視点を生み出すのは内受容感覚の覚知である。(3)洗練された内受容感覚の覚知が発達することで,様々な心的状態を主観的かつ意識的に経験できる。(4)洗練された内受容感覚の覚知の発達とは,子どもの成長とともに親子のやりとりが複雑化して内受容感覚の覚知が外受容感覚,認知,固有感覚等と複雑に統合していく過程である。(5)内受容感覚の覚知の発達によって,他者の内受容感覚状態の円滑かつ多様なシミュレートが可能になり,他者の心的状態の推測の効率と精度が高くなる。

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