著者
宮武 慶之
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.18, pp.235-246, 2020-03

江戸時代中期から後期にかけて江戸で活躍した道具商である竹本屋は三代にわたり五兵衛を名乗った。祖父五兵衛は『古画備考』の記述から従来、英一蝶(一六五二│一七二四)との関係が中心に述べられてきた。また父孤雲は川上不白(一七一六│一八〇七)の門人である。さらに子の五兵衛は松平不昧(一七五一│一八一八)の茶会記に登場し、また『雲州蔵帳』に所載される水指を取り次いでおり、茶の湯道具との関係も少ないない。さらに五兵衛は江戸時代後期にも活躍したことが知れ、江戸の鳥羽屋に出入りしたことが知られている。従来、竹本屋五兵衛は祖父が一蝶と親しくした点が触れられているに過ぎず、孤雲については井上如雪による『牡丹考』(一九九六)で紹介しているが、竹本屋の活動を明らかにしたものではない。 そこで本稿では『古画備考』の記述を起点として、竹本屋の三代にわたる活動を明らかにする。

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