- 著者
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吉田 友太
池田 心
- 出版者
- 情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告. GI, ゲーム情報学 (ISSN:21888736)
- 巻号頁・発行日
- vol.2020, no.23, pp.1-8, 2020-03-06
グラディウスなどに代表される 2Dシューティングゲーム(STG)は,プレイヤが自機を操作して敵や弾を回避しながら進めるゲームであり,その面白さや難易度は,敵の配置や攻撃パターンから構成されたステージに大きく依存する.それらは通常,"初見で攻略することは困難だが,繰り返し同じステージをプレイすることで攻略法が見つけることができる"ように,人手でデザインされる.一方で,毎回見たことのない新しいステージをプレイしたいと考えるプレイヤ層も存在し,ランダムなステージ生成にも需要がある.しかし,完全にランダムに生成してしまうと,難易度や面白さの観点から,人間がプレイするには不適当なステージばかりが生成されてしまう.そこで本研究では,それらに配慮したステージの自動生成システムの構築を目指した.生成手法は様々存在するが,我々は,遺伝的アルゴリズムによる最適化に,AI プレイヤによる評価を組み合わせた生成検査法を採用した.評価関数としては,AI プレイヤのクリア状況や,緊迫度を図るために無行動率などが一定範囲に入っているかのペナルティなども加えた.また,多様性の抑制のため,敵の群れをステージの最小要素とした.さらに,人間らしい挙動を行う AI プレイヤを用いることで,「AI プレイヤには簡単だが,人間には難しい」といった難易度の誤推定の防止を図った.得られたステージは,被験者実験によって,工夫を行わないものよりも難易度・面白さともに良い評価を得た.