著者
ペマ ギャルポ
出版者
拓殖大学国際日本文化研究所
雑誌
拓殖大学国際日本文化研究 = Journal of the Research Institute for Global Japanese Studies (ISSN:24336904)
巻号頁・発行日
no.3, pp.119-142, 2020-03

国際社会におけるインドの存在感が徐々に高まりつつある。人口一三億人を超え、経済面でも著しい成長を続けるインドは、近い将来、「世界の工場」と称される中国を追い越すと見られている。インドは日本にとっても極めて重要なパートナーである。日印関係の歴史は古く、特に近年では二〇〇〇年八月に森喜朗首相とヴァジパイ首相との間で「二一世紀における日印グローバル・パートナーシップ」を発出、その後、徐々に深化を遂げて二〇〇六年一二月に「日印戦略的グローバル・パートナーシップ」、さらに内容が具体化していき、二〇一四年九月のモディ首相来日に際して安倍晋三首相と「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップ」を発した。この間、首相間の年次相互訪問を筆頭に、安全保障分野においても防衛大臣間、あるいは国家安全保障局間で定期協議が開催されており、日印合同の軍事演習も行われた。中国が進める「一帯一路」構想は、明らかに経済・軍事面での習近平政権の覇権主義傾向と密接に繫がっている。インド洋沿岸諸国の港湾開発を支援する「真珠の首飾り」戦略も人民解放軍の足場を置くことで海上交通路を確保しインド洋を自らの勢力下に収めようとするものである。インド、そして日本は、そんな中国とどう向き合い、どう対峙すべきなのか。歴史的切り口から論じてみたい。

言及状況

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こんな論文どうですか? 印中・日印関係と中国の覇権主義 : チベット人としての視点から(ペマ ギャルポ),2020 https://t.co/1twKa9jBG4 国際社会におけるインドの存在感が徐々に高まりつつある。人口一三億人を超え、経済面でも…

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