- 著者
-
角 一典
- 出版者
- 北海道教育大学
- 雑誌
- 北海道教育大学紀要. 人文科学・社会科学編 (ISSN:13442562)
- 巻号頁・発行日
- vol.71, no.1, pp.33-45, 2020-08
本稿は,ジブリ映画,主に宮崎作品における,象徴としての四元素(風火水地)の意味について考察を加えたものである。本稿では,宮崎作品においては,風は自由・孤独,火は産業文明・近代国家・科学技術・武器等,水は,女性原理・自由奔放さ,地は生命を支える基礎でありながら,強度に汚染されてむしろ生命を脅かす存在と化しているものとして,象徴的に表現されていることを確認した。また,四元素は,風・水・地が相互に密接に関わりあいながら均衡を保っているが,唯一火だけがこれらに敵対する関係となっていることをみた。