著者
藤井 樹也
出版者
成蹊大学法学会
雑誌
成蹊法学 = The journal of law, political science and humanities (ISSN:03888827)
巻号頁・発行日
no.92, pp.179-198, 2020

アメリカ連邦最高裁は、Bakke 判決(1978)、Grutter 判決(2003)、Gratz 判決(2003)、Fisher I 判決(2013)、Fisher II 判決(2016)などを通じて、大学における人種的優先入学の合憲性審査を行い、厳格審査を満たした柔軟な人種考慮に限って、例外的に許容する判例法理を形成してきた。他方で、この傾向に批判的な人々は、イニシアティヴを受けた州民投票によって、優遇措置を禁止する州憲法改正を企てた。このような州憲法改正が成立した州では、州民投票のような困難な手段によって再度の州憲法修正を成功させない限り、人種的優先入学制度を復活させることができなくなった。これは、連邦憲法修正14 条の平等保護条項違反なのだろうか。Schuette 判決(2014)は、数々の困難な問題に関連する重要な判決である。

言及状況

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藤井樹也 2020「イニシアティヴによる州憲法修正と人種的優遇の禁止」https://t.co/V9W4CelMnJ 承前)Schutte判決で白人が8割近いミシガンで4割以上優遇に賛成してる事実ひとつ見ても、藤井が批判する「同じ人種の人は同じ考えをもつという想定」を導入したアンダーソンの義務論は受け入れがたい。

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