著者
堀内 千加
出版者
千里地理学会
雑誌
ジオグラフィカ千里 = Geographica Senri
巻号頁・発行日
no.1, pp.119-144, 2019-03-30

神戸市は,北側の六甲山系と南側の瀬戸内海に挟まれ,市街地は東西方向に細長い形で発展を遂げてきた。京阪神大都市圏の中心市の一つでもあり,1980年代まで人口の大幅な増加が続いていた。しかし,1995年1月17日の阪神・淡路大震災による甚大な被害を受け人口は減少に転じた。2000年には震災以前の人口を上回ることとなったが,近年の主たる人口増加区は中央区や東灘区などの中心区であり,震災以前は人口増加率の高かった郊外地域の人口増加は停滞的となった。それに対して,中心区の中でもJR三ノ宮駅や元町以南の都心地区での人口増加が顕著なものとなっている。震災復興の意味合いが強かった2000年代前半までは,神戸市の中心部に多く新設された高層階建て持家共同住宅に居住する子どもを伴った世帯の増加が特徴的であったが,近年では,他の大都市と同様に子どもを伴わない若年層の世帯や単身世帯などの増加と,高層階建て借家共同住宅居住世帯率の増大という新たな現象がみられるようになってきている。伊東理教授退職記念号特集 : 都市空間の地理学

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https://t.co/QuDcMNeMru 堀内千加(2019)「神戸市の人口動向と住宅地の空間的パターン : 阪神・淡路大震災以降を中心に」。中心地域(中央区、灘区、東灘区)は多くの大都市の中心区の人口が減少した1980-90年の間も1%の減少にとどまり、むしろ中央区は0.8%の人口増加。

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