著者
辰己 一輝 Tatsumi Ikki タツミ イッキ
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科『共⽣学ジャーナル』編集委員会
雑誌
共生学ジャーナル (ISSN:24326755)
巻号頁・発行日
no.5, pp.22-48, 2021-03

論文本論文は、今まで国内で周知されてこなかった2000 年代以降の障害学の理論的動向の紹介を試みた。そのために本論文は、第二節で「批判的障害学(CDS)」と呼ばれる、障害学内で新たに生じた学際的研究の諸特徴を整理することから出発した。続く二つの節で、本論文はCDS 以後の障害学の展開の一端を跡付けた。第三節では、クィア理論と障害学とが交差することで生じた「クリップ・セオリー」と呼ばれる一連の研究について概説した。第四節では、社会だけではなく身体の変化可能性を直接記述しようと試みる、障害に対する唯物論的アプローチについて概説した。最後に、現代の障害学が取り組み続けてきた問題を「言説と身体」・「理論と実践」という二分法をいかに乗り越えるか、という観点から総括した。

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CiNii 論文 -  2000年代以後の障害学における理論的展開/転回 : 「言葉」と「物」、あるいは「理論」と「実践」の狭間で https://t.co/njXCy87SV6

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