著者
佐藤 正志
出版者
摂南大学経営学部
雑誌
経営情報研究 : 摂南大学経営学部論集 (ISSN:13402617)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.129-141, 2021-02

1911年、第5回内国勧業博覧会跡地の一部に、土居通夫をはじめ大阪財界が出資して大阪土地建物株式会社が設立された。同社は健全な娯楽ゾーンとして新世界や遊園地ルナパークを建設した。しかし、数年でそれらの経営が悪化すると、同社は新世界の「花街」化を進めた。1916 年には飛田遊廓の経営が加わり、花街・遊廓を経営基盤とする会社となった。こうした大阪土地建物会社の経営は、戦前の日本経済、企業あるいは企業家の本質・実態を可視化する事例を提供し、従来の経済史・企業史研究の分析視角に再考・再構築を迫るものである。

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