- 著者
-
山内 乾史
- 出版者
- 佛教大学教育学部学会
- 雑誌
- 佛教大学教育学部学会紀要 (ISSN:13474782)
- 巻号頁・発行日
- no.20, pp.175-188, 2021-03-18
現在,「ブラック校則」をめぐる議論が盛んである。しかし,校則をめぐる学術的議論は極めて少ない。本稿では,その数少ない校則をめぐる学術的議論およびその周囲の議論を取り上げ,校則とは何かを問い,校則と道徳の関係を検討することを目的とする。具体的には,まず先行研究を概観し,校則をめぐる議論を整理した。ついで,青春ドラマ(学園ドラマ)に現れた教師像の分析を通じて,教師・校則と学校文化との関係を検討した。従来の研究においては,校則は「明文化されたもの」と考えられているが,明文化されないものも含めて,校則は規則の類に留まらず学校文化の中に「学校的なるもの」として埋め込まれたものをも含めて成立するのであり,学校文化=文脈を考えて検討すべきものであると論じた。ブラック校則合理性学校的なるもの学校文化青春ドラマ(学園ドラマ)