- 著者
-
松下 姫歌
- 出版者
- 京都大学大学院教育学研究科
- 雑誌
- 京都大学大学院教育学研究科紀要
- 巻号頁・発行日
- no.67, pp.335-359, 2021-03-25
Evidence-based Medicine(エビデンスに基づく医療; EBM)の概念は心理療法の領域にも⼤きな影響を及ぼし、Evidence-based Practice in Psychology(心理学におけるエビデンスに基づく実践; EBPP)という概念も生まれた。しかし、EBMやエビデンスの概念については理解の混乱や誤解があることが指摘され続けており、EBPPの概念はその誤解に基づく形で生まれ、後に軌道修正がなされたものの、心理臨床実践の観点から様々な問題点が指摘されている。本稿の目的は、①EBMの概念の再検討を通じて、その理念の本質とエビデンス概念について明らかにすること、②それに基づき、EBPPの問題点を明らかにすること、③心理臨床実践におけるエビデンスの概念を再定義することであった。その結果、3種類のエビデンスが抽出され、これらを基に、心理臨床実践におけるエビデンス概念が検討された。