著者
山澤 成康
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 = JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF MANAGEMENT (ISSN:13481118)
巻号頁・発行日
no.31, pp.1-18, 2021-02

本研究は、政府の景気局面判断がどのようなメカニズムでなされているのかを機械学習の手法を使って実証的に検討したものだ。被説明変数を、政府の景気基準日付に基づく景気局面(拡大期=0、後退期=1)、説明変数を景気動向指数(先行、一致、遅行)のすべての構成指標27系列(前期差)とした。サンプルを教師データと評価データの2つに分けて予測精度を調べるホールドアウトテストでは、手法の違いによりばらつきはあるが、おおむね良好な結果となった。次に外挿テストを行った。2012年3月の景気の「山」までを教師データとしてそこから先を予測するケースと2012年11月の景気の「谷」までを教師データとしてそこから先を予測するケースの 2種類を行い、局面判断ができるかを検討した。決定木を使うと概ね的中することがわかった。次に決定木を使って、景気局面判断に各指標がどのように使われているかについて調べた。2014年以前の景気局面判断は簡明で、DIとその差分の2つでほぼ判断ができていた。しかし、2014年の消費税率引き上げ以降は、局面判断の基準が変わっていることがわかった。2018年以降、公式の局面判断では景気後退のサインが出ていないが、従来の手法では景気後退のサインが頻繁に出ていることが確認できた。最後に、決定木の予測をランダムフォレスト、勾配ブースティングなどアンサンブル予測も行って、予測が改善するかどうかを検証した。結果は決定木を使った場合と同様だった。

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