著者
木田 隆文
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.29, pp.190-166, 2021-01

" 漢口(武漢)日本租界に関する研究は、これまで政治史や建築・都市研究の分野で一定の成果が挙げられてきたものの、居留民社会、特にその文化面の研究は資料不足も相俟ってほとんど進展がなかった。 しかし先ごろ稿者は、漢口で発行された文学雑誌『武漢歌人』および『武漢文学会雑誌 武漢文化』の二誌を入手した。両誌は現地居留民が結成した文学者団体、武漢歌話会・武漢文学会の会誌であったが、やがて汪兆銘政権が設立した翼賛文化団体である中日文化協会武漢分会の機関誌へと位置づけを変えた。そのためこの両誌からは、現地居留民社会の文芸文化の動向だけではなく、汪兆銘政権統治地域における文化支配の実態をうかがい知ることもできる。 本稿はその両誌の改題および記事細目を紹介することで、武漢居留民社会の文化動向および文化支配の実態を解明する基礎資料を提示することを試みたものである。"

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