- 著者
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太田 節子
佐藤 禮子
- 出版者
- 千葉大学看護学部
- 雑誌
- 千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
- 巻号頁・発行日
- no.26, pp.75-83, 2004-03
研究目的は,大腿骨頚部骨折で観血的治療後退院した高齢患者の退院後1年間の身体・精神・社会的特徴とその関連を明らかにし,看護援助の方法を検討することである.研究協力を得た意志疎通可能な65歳以上の患者9名とその家族・介護者を対象とし,退院後1年間数回の半構成質問による面接調査を行い,質的・帰納的に分析した.その結果,1.高齢患者は退院時歩行機能の良否に関わらず,適切な生活訓練により1~3ケ月でほぼ骨折前の生活に戻る.2.身体的,精神的および社会的特徴は①身体・社会的生活は縮小しても,家族の中で役割を果たし無理のない生活を送る②障害を持ちながら努力して生活するが家族は更なる自立を求めるため患者の不満がつのる③補助歩行となり,生活範囲が縮小したが介護者に見守られ規則的な生活を営む④施設リハビリ後,家族支援と介護保険を活用して生活を維持する⑤自宅退院後歩行は回復したが,持病悪化で死の転帰となるの5つを認めた.1年後も復職困難となる本障害の特徴,老化や危険要因を理解し,入院中はもとより外来,訪問看護等の継続看護が必要である.