著者
本岡 寛子 赤羽 紗季
出版者
近畿大学 心理臨床・教育相談センター
雑誌
近畿大学心理臨床・教育相談センター紀要 (ISSN:24349933)
巻号頁・発行日
no.5, pp.23-33, 2021-03-15

[要旨]ウィズコロナ・アフターコロナ時代において心身の健康を保ちながらテレワークを定着させるためには,心理的ディタッチメントを保つことが必要だと考えられる。本研究は勤務時間外の連絡に対する意識尺度を作成し,意識による心理的ディタッチメントと職業性ストレスの差異を検討することを目的に20代から60代の男女93名を対象に調査研究を行った。探索的因子分析の結果,勤務時間外の連絡に対する意識尺度において「業務遅延/迷惑懸念因子」「評価懸念因子」「返信不急因子」の3因子が抽出された。3 因子を基にクラスター分析を行った結果,「不急意識優位型」,「葛藤型」,「返信懸念優位型」に分類された。このことから,勤務時間外は,「返信を保留する意識」を有している者が一部存在するといえる。一方,「返信懸念優位型」のように周りとの調和が乱れたり,迷惑がかかる可能性を懸念する傾向が強い者も存在した。「葛藤型」は周りとの調和を乱れることや迷惑がかかることを懸念しつつも連絡に応じないタイプであり,3型の中で最も活気が低く,イライラ,疲労,抑うつ,身体愁訴の得点が高いことからも,「葛藤型」はストレスを蓄積しやすいと考えられる。

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[評価懸念][我慢][我慢の研究][葛藤型]

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