著者
辻井 弘忠
出版者
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
雑誌
信州大学農学部AFC報告 (ISSN:13487892)
巻号頁・発行日
no.5, pp.71-76, 2007-03

木曽馬は、昭和10年以降、在来種系の小格な種牡馬は全て去勢され、アングロアラブ系の中間種の種付が強行された。昭和20年以降、去勢されなかった神明号を種牡馬として本来の木曽馬に戻す努力がなされてきた。本研究は、木曽馬が古来の馬に戻りつつあるのかを骨の大きさから判断することを目的に行った。昭和30年ごろに埋葬された木曽馬の骨を開田村西野の馬の共同墓地跡から回収し各骨の大きさについて調べた。各部位の骨の大きさをノギスで測定し、平均値を求めた。また岡部らが報告している昭和15年頃の木曽馬の骨の大きさと比較検討を行った。その結果、各部位の骨の大きさは全て小さくなっていることを確認した。この結果は、著者らが昭和59年に実施した木曽馬の体格調査の結果において得られた木曽馬の大きさが小さくなりつつあるという結果と一致した。

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