著者
姫野 修司 小松 隆宏 藤田 昌一 富田 俊弘 鈴木 憲次 中山 邦雄 吉田 修一
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.122-129, 2007-03-20
参考文献数
22
被引用文献数
1 3

本研究では,二酸化炭素(CO<sub>2</sub>)/メタン(CH<sub>4</sub>)分離膜として最近開発されたDDR型ゼオライト膜を用いて様々な単成分ガスの透過やCO<sub>2</sub>/CH<sub>4</sub>混合ガスの透過を測定し,各気体の透過機構や分離機構の解明を行い,他の分離膜との性能比較を行った.<br>まず,He, H<sub>2</sub>, CO<sub>2</sub>, O<sub>2</sub>, N<sub>2</sub>, CH<sub>4</sub>の単成分ガスの透過流束を測定し,CO<sub>2</sub>は主に吸着に起因し,CH<sub>4</sub>はDDRゼオライト細孔による分子ふるいに起因する透過機構であることを明らかにした.また,加圧透過試験およびスウィープ試験による298 Kでの単成分ガスのCO<sub>2</sub>/CH<sub>4</sub>理想分離係数は供給圧力0.2 MPa,透過圧力0.1 MPaのとき最大でそれぞれ336, 170となった.<br>次に,スウィープ試験で測定したCO<sub>2</sub>/CH<sub>4</sub>混合ガス(50 : 50)と単成分ガスの透過流束および分離係数を比較した結果,すべての圧力範囲においてCO<sub>2</sub>の透過流束は混合ガスより単成分ガスの方が高く,CH<sub>4</sub>の透過流束は混合ガスと単成分ガスとで変化はなかった.さらに,混合ガスを用いた加圧透過試験では供給圧力0.6 MPaで分離係数が極大値を示し,そのときの値は106であり,スウィープ試験では供給圧力が大気圧のとき分離係数が最大値200を示し,圧力の増加に伴い分離係数は減少した.<br>本膜を近年報告されている他のCO<sub>2</sub>/CH<sub>4</sub>分離膜と性能比較した結果,CO<sub>2</sub>/CH<sub>4</sub>分離性能およびCO<sub>2</sub>透過性能ともに高いゼオライト膜であることを明らかにした.

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