- 著者
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有本 建男
- 出版者
- 国立研究開発法人 科学技術振興機構
- 雑誌
- 情報管理 (ISSN:00217298)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.9, pp.814-830, 1995
19世紀は,第二次科学革命といわれるように,熱力学,電磁気学など科学知識について大きな飛躍があった。また,国民国家の成立と産業革命の拡大に伴って,従来別々に発展してきた科学と技術が融合し科学技術として確立した。これが,国家の軍事力や経済力の強化にとって重要な要素と認識された。このため,政府や企業が強力に科学技術を支援する制度や体制ができあがった。19世紀末から20世紀初めの政治経済の転換にあわせて,欧米主要国は科学技術の制度や体制を変革した。これは,21世紀をまじかに控えて我が国の科学技術の構造を変革するに当って貴重な教訓を提供する。今回は,19世紀の第二次科学革命の特徴,近代科学技術の発達の要因,その活動中心の国際移動について述べる。