著者
黒田 長久
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.110-119, 2007

カツオドリ <i>Sula leucogaster</i> に比してアオアシカツオドリ <i>S. nebouxii</i> の剥皮体は胸筋が円筒状で肩の張りもない点で異なる。これは後者が前者より高空から深海突入する突入度の違いを反映している。アオアシカツオドリは全く水しぶきをあげずに突入し,カツオドリは多量の白泡を立てる。また,トビウオを空中捕捉する。最も熱帯性のアカアシカツオドリ <i>S. sula</i> は突入体型の度が低い。カツオドリ類はその突入とその前の空中バランス浮揚に関連して大胸筋主部の下に筋肉の盛り上がりのある点が特徴である。アオアシカツオドリは胸筋長/腹長比が1.5でカツオドリの0.9より長いことも深海突入に適応して翼力の強化を示す(強い翼搏には長い胸筋が必要)。胸筋全量 117.2 g, 脚筋量 51.0 g であった。肩部に未記載と思われる三筋,<i>m. biceps subaccessorius</i>(下副二頭膊筋),<i>m. deltoideus major inferior</i>(下大三角筋)と <i>m. deltoideus medius</i>(中三角筋)を認め命名した。

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