- 著者
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伊永 隆史
- 出版者
- [日本食品衛生学会]
- 雑誌
- 食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.5, pp.197-204, 2010
- 被引用文献数
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食のグローバル化に伴いさまざまな輸入食品が安価に手に入るようになったが、国内で禁止された農薬・消毒剤の使用やBSE(牛海綿状脳症)などで安全性への懸念が高まり、ここ数年消費者の国産食品指向が高まっている。植物やそれを餌とする動物の水素・酸素安定同位体比は天然水の安定同位体比を反映することが知られ、気候変動に関連した生態系解析などに用いる先行研究がいくつか報告されている。しかし、このような有機物の安定同位体比を精密測定できる質量分析法は、かつてはごく一部の先端的研究者だけが扱える特殊な測定技術とされていたが、近年の同位体比質量分析装置(IRMS)の発展普及により汎用性が高まり、食品の産地鑑別研究へ展開可能な実施環境が整いつつある。