- 著者
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小堤 恭平
安藤 四郎
池田 敏雄
中井 博康
千国 幸一
- 出版者
- Japanese Society of Animal Science
- 雑誌
- 日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.1, pp.1-6, 1985
- 被引用文献数
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8
2
市場に流通している牛肉の理化学的特性と格付等級との関連を明らかにするために,黒毛和種去勢牛の特選,極上,上,中,並およびホルスタイン種去勢牛の上,中,並に格付けされた部分肉の胸最長筋(6-8胸椎部のリブロース)各6点について,比重,一般的化学組成および脂肪酸を分析した.黒毛和種の特選,極上,上,中および並の試料の脂肪含量の平均値は,それぞれ31.7,23.5,19.8,14.9および10.6%であった.ホルスタイン種の上,中および並での平均値はそれぞれ12.4,7.7および8.5%であった.特選の脂肪含量は他の格付等級のものとは1%以上の水準で有意の差があった.脂肪含量と脂肪交雑評価点との間には両品種ともる高い正の相関が見られた.両品種の脂肪交雑評価点「+2」と「+1」における脂肪含量には統計的に有意の差は認められなかった.脂肪交雑評価点の「+2」と「十3」の脂肪含量には有意差は認められなかったが,他の評価点間では5%の水準で有意差が認められた.比重と脂肪含量との間には両品種ともに高い負の相関が認められた.肉の比重から脂肪含量を求める回帰式は,y=-549x+592,r=-0.93であった.同時に比重から脂肪交雑評価点を求める回帰式は,y=-96.6x+103,r=-0.92であった.このことから比重より胸最長筋(ロース芯)の脂肪含量または脂肪交雑評価点が簡単に求められる.脂肪酸組成は両品種の格付等級間でなんらの相違も認められなかったが,品種間ではC18:1,飽和および不飽和脂肪酸量に有意の差が認められた.脂肪含量とC18:1,および不飽和脂肪酸量との間には正の相関が認められた.