著者
長峰 孝文 中澤 宗生 古谷 修 伊藤 稔 小堤 恭平
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.331-338, 2007 (Released:2008-02-25)
参考文献数
17

645の堆肥について,食中毒の原因となる代表的な細菌であるサルモネラおよび志賀毒素産生性大腸菌(STEC)O157の検出を行った.堆肥化の過程によって損傷を受けたそれらの細菌を賦活化させるため,選択培地による試験の前に,堆肥サンプルを緩衝ペプトン水とともに37℃にて18~24時間インキュベートした.サルモネラが検出された堆肥は8件(1.2%)であり,3件から分離された株が公衆衛生上問題のある血清型であった.STEC O157は,検出されなかった.堆肥からサルモネラが検出された原因は,堆肥生産の際の低い処理温度もしくは堆肥化後の原料の混入が考えられた.
著者
小堤 恭平 安藤 四郎 池田 敏雄 中井 博康 千国 幸一
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.1-6, 1985-01-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
22
被引用文献数
9 2

市場に流通している牛肉の理化学的特性と格付等級との関連を明らかにするために,黒毛和種去勢牛の特選,極上,上,中,並およびホルスタイン種去勢牛の上,中,並に格付けされた部分肉の胸最長筋(6-8胸椎部のリブロース)各6点について,比重,一般的化学組成および脂肪酸を分析した.黒毛和種の特選,極上,上,中および並の試料の脂肪含量の平均値は,それぞれ31.7,23.5,19.8,14.9および10.6%であった.ホルスタイン種の上,中および並での平均値はそれぞれ12.4,7.7および8.5%であった.特選の脂肪含量は他の格付等級のものとは1%以上の水準で有意の差があった.脂肪含量と脂肪交雑評価点との間には両品種ともる高い正の相関が見られた.両品種の脂肪交雑評価点「+2」と「+1」における脂肪含量には統計的に有意の差は認められなかった.脂肪交雑評価点の「+2」と「十3」の脂肪含量には有意差は認められなかったが,他の評価点間では5%の水準で有意差が認められた.比重と脂肪含量との間には両品種ともに高い負の相関が認められた.肉の比重から脂肪含量を求める回帰式は,y=-549x+592,r=-0.93であった.同時に比重から脂肪交雑評価点を求める回帰式は,y=-96.6x+103,r=-0.92であった.このことから比重より胸最長筋(ロース芯)の脂肪含量または脂肪交雑評価点が簡単に求められる.脂肪酸組成は両品種の格付等級間でなんらの相違も認められなかったが,品種間ではC18:1,飽和および不飽和脂肪酸量に有意の差が認められた.脂肪含量とC18:1,および不飽和脂肪酸量との間には正の相関が認められた.
著者
千国 幸一 長妻 常人 田畑 利幸 門間 美千子 斎藤 昌義 小沢 忍 小堤 恭平
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.340-346, 1994
被引用文献数
6 1

ウシの成長ホルモンは127番目のアミノ酸でLeu/Valの多型が存在する.この多型の原因となる塩基配列の違いを決定するため,黒毛和種,ホルスタイン種,ヘレフォード種,アバーデンアンガス種から成長ホルモン遺伝子のイントロン4とエキソン5を含む652bpの領域をPCRによって増幅し,塩基配列を決定した.その結果,127番目のアミノ酸に対するコドンはA型(Leu)がCTG,B型(Val)がGTGで,1塩基の違いによる多型であることが明らかとなった.黒毛和種においてはさらに,別の部位で新たな多型が認められた.この変異は172番アミノ酸のコドンがACGからATG(C型)となるもので,コードしているアミノ酸はThrからMetに変化する.上記の4品種と褐毛和種について,Alu I切断とドットハイブリダイゼイションを用い遺伝子型を決定した結果,黒毛和種と褐毛和種にはA型(Leu<sup>127</sup>,Thr<sup>172</sup>),B型(Val<sup>127</sup>,Thr<sup>172</sup>),C型(Val<sup>127</sup>,Met<sup>172</sup>)の3種が存在し,分析したホルスタイン種,ヘレフォード種,アバーデンアンガス種には,C型が認められなかった.これらのことから,C型遺伝子は黒毛和種と褐毛和種の共通祖先のB型遺伝子に生じた変異であると考えられた.遺伝子頻度は59頭の黒毛和種で0.500(A),0.144(B),0.356(C)であった.これらの遺伝子型と枝肉形質との間に明確な関連は認められなかった.
著者
小堤 恭平 安藤 四郎 池田 敏雄 中井 博康 千国 幸一
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.1-6, 1985
被引用文献数
8 2

市場に流通している牛肉の理化学的特性と格付等級との関連を明らかにするために,黒毛和種去勢牛の特選,極上,上,中,並およびホルスタイン種去勢牛の上,中,並に格付けされた部分肉の胸最長筋(6-8胸椎部のリブロース)各6点について,比重,一般的化学組成および脂肪酸を分析した.黒毛和種の特選,極上,上,中および並の試料の脂肪含量の平均値は,それぞれ31.7,23.5,19.8,14.9および10.6%であった.ホルスタイン種の上,中および並での平均値はそれぞれ12.4,7.7および8.5%であった.特選の脂肪含量は他の格付等級のものとは1%以上の水準で有意の差があった.脂肪含量と脂肪交雑評価点との間には両品種ともる高い正の相関が見られた.両品種の脂肪交雑評価点「+2」と「+1」における脂肪含量には統計的に有意の差は認められなかった.脂肪交雑評価点の「+2」と「十3」の脂肪含量には有意差は認められなかったが,他の評価点間では5%の水準で有意差が認められた.比重と脂肪含量との間には両品種ともに高い負の相関が認められた.肉の比重から脂肪含量を求める回帰式は,y=-549x+592,r=-0.93であった.同時に比重から脂肪交雑評価点を求める回帰式は,y=-96.6x+103,r=-0.92であった.このことから比重より胸最長筋(ロース芯)の脂肪含量または脂肪交雑評価点が簡単に求められる.脂肪酸組成は両品種の格付等級間でなんらの相違も認められなかったが,品種間ではC18:1,飽和および不飽和脂肪酸量に有意の差が認められた.脂肪含量とC18:1,および不飽和脂肪酸量との間には正の相関が認められた.