著者
原田 重雄 中山 仰
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告
巻号頁・発行日
vol.1958, no.12, pp.1-4, 1958

茶のさし穂の側芽および葉の有無がさし木の根の発生ならびに生長に及ぼす影響を知るため,2葉2芽を有する標準のさし穂から側芽0~2個,葉0~1枚の除去を組み合せた7種類の区をつくり,それに3葉3芽区と標準区の2区を加えて試験した。さし木は7月15日,調査は110日,150日目に行つた。<BR>発根数は3芽,2芽を有する区が多く,0芽区は最も少かつたが,葉の数との関係はみられなかつた。一方,側芽を一つ着けた4区について,茎の着芽側と無着芽側との発根数を比較したところ,着芽側の発根数が明らかに多かつた。<BR>次に根重について調べた結果は,発根数への側芽の影響があつたため,根重と側芽数との間にも若干の関係がみられたが,概して3葉区,2葉区,1葉区の順に根重が重い傾向が認められ,さらに110日目よりも150日目においてこの傾向は一層顕著であつた。<BR>以上の結果から,さし穂の側芽は主として根の発生に影響し,着葉数は根の生長に影響が大きいと考えられる。

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