著者
原田 重雄 渡辺 明 三ツ井 稔
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1961, no.17, pp.1-7, 1961-06-20 (Released:2010-02-05)
参考文献数
7
被引用文献数
1

“Benifuji ” was developed by the-Breeding Laboratory of the Tea Division, Tokai-Kinki Agricultural Experiment Station, and the registration of this variety was made in 1960.Benifuji was selected from the cross Benihomare x C 19. The superior characters of this variety are good growth both in cuttings and in young age, high yield especially when young, good tolerance to cold, and superior qualities of black tea. It is adapted to the northern distrief of black tea production in Japan because of its tolerance to cold.
著者
原田 重雄 渡辺 明 加納 照崇
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1954, no.4, pp.1-5, 1954

1.昭和28~29年の暖冬に際し,切枝を低温処理して幼芽の耐寒性の品種間差異につき調査した。<BR>2,腋芽は頂芽に比し耐寒性がやや強かつた。また品種間の差異は大きく,暖冬時の1月25日の調査では,みよしが最も弱く,U21(3倍体)及びやまとみどりは強かつた。萠芽期の3月30日及び4月8日の調査では,幼芽の耐寒性は急激に弱くなり,品種間ではみよし,あさつゆが最も弱く,やまとみどりが最も強かつた。冬芽で強い方であつたあさつゆ,たまみどり等が春芽ではやや弱い方に入り,冬芽で弱かつたべにほまれが春芽では強い方に入つたのは,春期における芽の活動状況の違いによると思われるが,中にはやぶきたのように春芽の発育が盛んなのにもかかわらず,耐寒性の比較的強いものもあつた。<BR>3,冬芽における耐寒性の品種間差は,昨年度の冬期間に成葉につき調べた耐寒性の強弱とかなりよく一致し,暖冬年でも冬芽の耐寒性の品種相互間の関係は,平年とそれほど変るものではないように思われた。<BR>4.頂幼芽の搾汁屈折率は耐寒性とかなり密接な関係を持ち,春になり芽の発育が進むほど屈折率は低く耐寒性は弱くなり,また冬芽・春芽のいずれの場合にも,屈折率の低い品種ほど耐寒1性が弱い関係が見られた。<BR>5.暖冬下における幼芽は,発育がかなり促進されても,萠芽期の春芽に比すれはなお耐寒性が著しく強かつた。これはいくら暖冬とはいつても,芽の生理的活動は春の萠芽期の芽に比すればなお著しく微弱なためであろう。しかし圃場で冬芽に2割四外の被害を認めた場合もあり,みよしは特に被害芽が多かったから,幼芽の耐寒性については,今後品種選択等の場合に充分注意さるべきであろう。
著者
三ッ井 稔 原田 重雄
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1962, no.19, pp.10-14, 1962-11-15 (Released:2009-07-31)
参考文献数
10

昭和34年から37年の間にインド種6種類の実生苗または栄養系苗を供試して,8,11および14時間の日長処理を行なった。茎葉の生育は8~11時間よりも14時間日長下においてすぐれる傾向が認められた。この性質は中国種の日長感受性と似ている。なお日長効果は葉数よりも茎長において現われやすい傾向があった。
著者
原田 重雄 中山 仰
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告
巻号頁・発行日
vol.1958, no.12, pp.1-4, 1958

茶のさし穂の側芽および葉の有無がさし木の根の発生ならびに生長に及ぼす影響を知るため,2葉2芽を有する標準のさし穂から側芽0~2個,葉0~1枚の除去を組み合せた7種類の区をつくり,それに3葉3芽区と標準区の2区を加えて試験した。さし木は7月15日,調査は110日,150日目に行つた。<BR>発根数は3芽,2芽を有する区が多く,0芽区は最も少かつたが,葉の数との関係はみられなかつた。一方,側芽を一つ着けた4区について,茎の着芽側と無着芽側との発根数を比較したところ,着芽側の発根数が明らかに多かつた。<BR>次に根重について調べた結果は,発根数への側芽の影響があつたため,根重と側芽数との間にも若干の関係がみられたが,概して3葉区,2葉区,1葉区の順に根重が重い傾向が認められ,さらに110日目よりも150日目においてこの傾向は一層顕著であつた。<BR>以上の結果から,さし穂の側芽は主として根の発生に影響し,着葉数は根の生長に影響が大きいと考えられる。