著者
大西 市造
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1975, no.42, pp.37-46, 1975

1. 工程の進行とともに茶葉幅とわん曲度は減少し,みかけ比容積は逆に大きくなる。また5段階加すいより4段階加すいのほうが長短度は大きく,細よれとなった。これから工程初期における加すい時期の遅速が整形上大切な要素となることがわかった。<BR>2. 揉手1往復当たりの茶葉応力は,最大応力部分と無反応個所が存在し,加すいの移動とともに応力は増加するが,茶葉水分,機種の構造などの違いによって,かならずしも近似的な波形は示さず,加えて茶葉の反転,分散,緊締度などに関係があると思われる力積値の変動要因についても注目する必要がある。<BR>3. 各機種とも懸すい荷重については,それぞれ重すいの重さと竿の長さに比例的に働くが,実際運転中におけるロット(作用点)の荷重は,メーカーにより支点,力点,ロットの取り付け位置などが異なるため,重すいの移動に対する動荷重変位比率に違いが生じるので,精揉操作の加すい配分には十分な考慮を払うべきである。<BR>4. 精揉工程における均質な製品を得るための方法としては,投入時の茶葉の性状についてのチェックと機械自体のしくみを明らかにするとともに,投入茶量,所要時間,荷重方式の組み合わせは,取り出し水分(11.9%)外観評点(40点)の基準値より遠くにあるものは排除し順次集約したプログラムの作成を行い自動化への基礎資料を求め,さらに発展させる方向に進めなければならない。<BR>終りに本研究を実施するにあたり,ご協力を仰いだ当研究所製造課の諸氏をはじめ,種々適切な助言をいた〓いた農林省茶業試験場竹尾室長ならびに京都府中小企業総合指導所工業技術課 小柳技師に深く感謝の意を表します。

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