- 著者
-
細野 明義
鈴木 浩
大谷 元
- 出版者
- Japanese Society of Animal Science
- 雑誌
- 日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.5, pp.413-420, 1987
- 被引用文献数
-
3
わが国において食肉製品をはじめ, 多くの食品の製造に最も一般的に用いられているナツメグ, メース, シナモン, 白コショウ, ショウガの5種類を選び, それらの変異原性をSalmonella typhimurium TA 98 から造成したストレプトマイシン依存性株 (SD510株) を指標菌にして調べた.その結果, 供試のすべてのスパイスに変異原性が認められた.また, これらスパイスを紫外線照射 (3.J/m<SUP>2</SUP>/secで12時間照射) もしくは加熱 (135℃で3時間) を行なった場合, ナツメグ, 白コシヨウ, ショウガで変異原性が減少することが認められたのに対し, メースではそれらの処理により変異原性は増大した.一方, これらスパイスの変異原性はα-トコフェロール, β-カロチン, システィンそれにニンジンェキスにより全般的に減弱の傾向を示した.中でもα-トコフェロールおよびβ-カロチンのそれらスパイスの変異原性に対する減弱効果は顕著であった.