著者
石田 邦光 大島 慶一郎
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.249-262, 2007

衛星リモートセンシングデータの中で,多くのデータ蓄積があるにもかかわらず,利用されずにいるデータの一つがMOSデータである.3つの異なったセンサによる同時観測という優れた特性を有しながら,取得されたデータが広く研究に利用されることはなかった.しかしながら,雪氷研究においては,観測対象域が極域に多くあることから,少ないながらも利用されてきたといえる.特に,南極域においては,昭和基地において精力的に受信されたことから,貴重なデータを数多く得ることができた.MOSの一つのセンサであるMESSRによって観測された範囲は昭和基地沖周辺に限られるが,これらの画像からは,南極季節海氷域のさまざまな特徴を知ることができる.a)定着氷から氷縁に向かって氷野内の海氷分布構造がいくつかの特徴的な領域に分類できること.b)沿岸ポリニヤの定常的な出現やポリニヤ内における海氷移動の特徴を知ること.c)氷縁だけでなく氷縁内部まで形成されるアイス・バンド構造を理解できることなどである.ここでは,これらの研究成果を紹介することで,MOS MESSRデータの海氷観測における有効性を示した.

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