著者
鈴木 勉 物井 寿子 福迫 陽子
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.159-171, 1990
被引用文献数
5

失語症患者に対する仮名訓練法を開発した.これは, 単音節語 (漢字1文字で表記) をキーワードとし, その意味想起の手がかりとして, キーワードを初頭に含む複合語 (ヒント) を利用する方法である.<BR>本法を3例の失語症患者 (重~中等度ブローカ失語2例, ウエルニッケ失語1例) に実施したところ, 3例とも仮名1文字の書取り及び音読能力に改善が認められた.ただし到達レベルは, 単語から文章まで症例により異なった.<BR>本法は, 多音節語をキーワードとした仮名訓練では成果の上がらなかった重度例にも適応可能であった.本法の適応のある患者は, 次の3条件, すなわち (1) 漢字の書字の学習力が保たれている, (2) 単語の復唱が可能, (3) 訓練意欲が高い, を満たす患者であった.

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