著者
青木 宣明 吉野 蕃人
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.450-457, 1984
被引用文献数
6 1

ボタンの接木二年生株′花競′を用い, 促成システムを確立する目的で, まず花芽の発育経過を調べた. 次に冷蔵期間が促成に及ぼす影響について調査した.<br>1. 花芽分化の調査を開始した8月27日には葉分化はすでに終了し, 花弁の分化が始まっていた. 9月27日になると, 雄ずい分化中の個体が観察され, 10月18日では大半の個体が雌ずい形成中であった.<br>2. 冷蔵期間が長いほど芽期及び開花期が早くなった. しかしながら5~7週間冷蔵処理の3処理区では, 萠芽期から開花期までの到花日数, 及び積算温度が類似した.<br>3. 開花率については, 5週間冷蔵処理区が75%で最も高く, 7週間冷蔵処理区は50%で最も低かった.<br>4. 切花重や花弁数では処理区間に有意差が生じなかった. しかしながら, 冷蔵期間が短くなるほど花は大きくなる傾向を示し, 葉は逆に小さくなって葉面積は激減した. すなわち冷蔵期間が短くなるほど下位葉の展葉が阻止された.<br>5. 切花としての草姿は, 6~7週間冷蔵処理区が適当であった.以上の結果から, 花芽の発育程度と冷蔵温度, 期間がボタン促成の開花期, 開花率, 切花品質に大きな影響を与えるものと考えられる.

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