著者
青木 宣明 植田 尚文 伴 琢也 内藤 整 葉 玉紅
出版者
農業生産技術管理学会
雑誌
農業生産技術管理学会誌 (ISSN:13410156)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.57-62, 2001-10-01 (Released:2019-04-16)
参考文献数
11

鉢植えブルーベリーにおける施肥,摘心並びに遮光処理が新梢伸長と花芽着生に及ぼす影響を調査した.1.挿し木の活着率挿し木活着率はタイプ,品種に関係なく,また休眠枝や緑枝挿しに関わらず,高かった.2.施肥量と施肥時期の影響元肥及び追肥区とも,施用量の増加に伴い花芽数が増加した.花芽着生数は緑枝挿しより休眠枝挿しにおいて,また'ノースランド'より'ティフブルー'において,多かった.なお両品種とも,8月追肥区の花芽数は最高を示した.3.摘心と遮光の影響強摘心は新梢の伸長量を減少させたが,花芽数の増加には影響しなかった.'ウッダード','ノースランド'の両品種とも遮光は新梢伸長より花芽着生への影響が顕著で,花芽数は遮効率の増大に伴って著しく減少した.品種間の比較では,ラビットアイタイプの'ウッダード'は花芽数や新梢数が多く,樹高が低く,また開張性を示すなど,"鉢花"に適している.
著者
青木 宣明
出版者
島根大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

予備冷蔵(以下予冷)と冷蔵期間並びにGA処理が促成シャクヤクの花芽の発育と開花に及ぼす影響について調査した。[花芽の発育]野生タイプシャクヤクの花芽の発育について,6月下旬から12月中旬まで10日ごとに調査した。調査開始時の6月20日から9月下旬までは葉数の増加のみ認められた。10月中旬には花弁が,11月中旬には雄しべが,また下旬には雌しべの分化がそれぞれ観察された。‘サラ・ベルナール'の冷蔵(4℃)開始時(10月上旬)における花芽の状態については,数枚の花弁が観察され,‘サラ・ベルナール'の花芽分化は野生タイプよりやや早い傾向を示した。15℃で予冷されたシャクヤクは花芽の発育が促進された。30日〜70日冷蔵中における花芽の発育については,冷蔵期間が長くなるほど花芽の長さは長くなる傾向を示したが,花芽の直径や花弁数については一定の傾向を示さなかった。[促成]植え付け日が早いほど発芽日や開花日は早くなった。植え付けから開花までの到花日数は冷蔵期間が長くなるほど短縮された。発芽から開花までの積算温度は,冷蔵期間の長短にかかわらずほぼ一定であった。一年生株において,開花率は30日冷蔵が67%で最も高かったが,実用限界の80%には及ばなかった。冷蔵期間の長短による切り花形質の差は少なかった。予冷により開花期が促進した。予冷とGA処理の組み合わせにより,開花率は向上し,切り花品質も優れた。GA処理は出芽直後の1回処理が開花率向上に最も効果的であった。GA処理により,切り花の花色は薄くなる傾向があった。
著者
劉 政安 青木 宣明 伊藤 憲弘 坂田 祐介
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.818-825, 2002-11-15
被引用文献数
6 2

中国ボタン品種群の中原品種グループから9品種と, 対照品種として日本ボタン'連鶴'の合計10品種を供試し, 花芽分化・形成過程と促成能力について調査した.調査開始の6月下旬にはすべての品種においてがく片が観察され, 花芽分化の開始が確認された.その後の中国ボタンの花芽形成パターンは, (1) : 花芽分化スピードが早く, 夏季に花芽形成のスピードが鈍ることなく順調に進み, 10月上旬に雌ずい形成が完了するグループ('白鶴臥雪'など3品種), (2) : 花芽分化スピードが中程度で, 10月中旬に雌ずい形成が完了するグループ('珊瑚台'など3品種), (3)花芽分化スピードが遅く, 雌ずい形成は11月上旬にほぼ完了するグループ('錦綉球'など3品種)の3つに分類できた.促成栽培における中国ボタンの萌芽率は低温期間が4週間と短くても100%を示したが, 日本ボタン'連鶴'は極端に低下した.また, 中国ボタン'白鶴臥雪'は低温期間が短くても開花率は比較的高かった.開花の見られた中国ボタン品種における開花はすべての処理区で年内に終了した.年内促成には, 80%以上の開花率を示した'白鶴臥雪', '鳳丹', '淑女装'の3品種が適すると考えられる.
著者
阿尻 雅文 青木 宣明 高見 誠一 盧 金鳳
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

数学の予測から、sp^2結合のように平面上で120°に分岐する3本の結合を持つ等価な原子から構成される3次元のネットワークが存在することが明らかとなった。本研究では、炭素を構成要素とする結晶構造の存在する条件やその物性を予測すると共に、合成に必要な条件の解明を行った。
著者
青木 宣明 吉野 蕃人
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.450-457, 1984
被引用文献数
6 1

ボタンの接木二年生株′花競′を用い, 促成システムを確立する目的で, まず花芽の発育経過を調べた. 次に冷蔵期間が促成に及ぼす影響について調査した.<br>1. 花芽分化の調査を開始した8月27日には葉分化はすでに終了し, 花弁の分化が始まっていた. 9月27日になると, 雄ずい分化中の個体が観察され, 10月18日では大半の個体が雌ずい形成中であった.<br>2. 冷蔵期間が長いほど芽期及び開花期が早くなった. しかしながら5~7週間冷蔵処理の3処理区では, 萠芽期から開花期までの到花日数, 及び積算温度が類似した.<br>3. 開花率については, 5週間冷蔵処理区が75%で最も高く, 7週間冷蔵処理区は50%で最も低かった.<br>4. 切花重や花弁数では処理区間に有意差が生じなかった. しかしながら, 冷蔵期間が短くなるほど花は大きくなる傾向を示し, 葉は逆に小さくなって葉面積は激減した. すなわち冷蔵期間が短くなるほど下位葉の展葉が阻止された.<br>5. 切花としての草姿は, 6~7週間冷蔵処理区が適当であった.以上の結果から, 花芽の発育程度と冷蔵温度, 期間がボタン促成の開花期, 開花率, 切花品質に大きな影響を与えるものと考えられる.