- 著者
-
寺分 元一
- 出版者
- 園藝學會
- 雑誌
- 園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.3, pp.245-250, 1970
材料には短日下で育苗した貝塚早生の3~5葉の苗を使用して実験を行なつた。<br>1. タマネギ苗の底盤下部より生長点を摘除し, 短日下で川砂中で培養し, 20日以上経過すると, 葉しよう基部は肥厚したが, これは葉しよう柔細胞の大きさが増したためで, 糖の蓄積の結果ではなかつた。<br>2. 底盤部より切り離された各葉は川砂中に葉ざしし, 短日下で20日培養すると, 葉しよう基部は著しく肥厚したが, 若い葉での肥厚は劣つていた。このような肥厚は葉しよう柔細胞の容積が増加したためで, 糖の蓄積は認められなかつた。<br>また暗黒下での葉ざし, または葉身を2/3切除して葉ざしを行なつた場合, 葉しようは肥厚しなかつた。<br>3. 生長点摘除と日長処理とを組み合した場合, 長日では短日の場合よりさらに肥厚が著しかつた。<br>また長日, 短日両条件下で葉身の伸長は生長点摘除によつてほとんど行なわれなかつた。