著者
橋本 皓 向井 克憲
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.506-511, 1967
被引用文献数
2

イボタロウカタカイガラムシ雄幼虫を,虫体とロウ殻にわけ,それぞれの脂質組成を明らかにした.<br> (1)虫体とロウ殻の構成重量比は約1:2であった.<br> (2)虫体の脂質含有率は18.6%,ロウ殻のそれは88.8%であった.<br> (3)虫体脂質の主構成成分は,トリグリセリドで82.7%を占め,他に遊離脂肪酸,炭化水素,ワックス,リン脂質,モノ,ジグリセリドなどが存在した.これに対してロウ殻脂質の主構成成分は,ワックスで92.4%を占めた.他に遊離高級アルコール,炭化水素などが存在した.しかしグリセリド,リン脂質は検出されず,虫体,ロウ殻の脂質組成はともに特徴的であった.<br> (4)虫体脂質の構成脂肪酸は, C<sub>18</sub>酸が優勢であった.リン脂質は,ホスファチジルエタノールアミンとホスファチジルコリンが主成分であった.

言及状況

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カイガラムシの脂質に関する研究(第10報):イボタロウムシ雄幼虫の脂質 https://t.co/hC63jW6Wc3

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