著者
辻 啓一
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.769-775, 1982
被引用文献数
1

(1) 緩衝能曲線(β-PH曲線)の一つの応用として各種の調味料について予備実験を行った.<br> (2) 試料中の弱プロトン解離基のpKaにほぼ等しい値のpHにおいて緩衝能曲線にピークまたは肩を生ずることに基づき,調味料の緩衝能曲線をその形状を考慮してC,P,Nの3区に区分し,それぞれの区に該当する解離基のおよその当てはめを行った.<br> (3) 上記の区分においてC区(pH<5.7)は主に有機酸およびアミノ酸のカルボキシル基,N区(pH>7.5)はアミノ酸等のアミノ基によるピークまたは緩衝能帯を表す.中間のP区は無機,有機のリン酸化合物およびイミダゾール化合物を主とする成分によると考えられるが,試料によって高さと形状の変動が大きく,C区,N区に対してこの区がかなりの大きさを持っのはかっおぶし,にぼし,こぶ等の素材だしおよび培養基用牛肉エキス,酵母エキスであった.これに対し加工調味料(Table II)ではP区の緩衝能はおおむねきわめて小であり,同時にC,N区の形状はグルタミン酸のそれとよく一致した.<br> (4) みそ,しょう油についての「滴定酸度」,およびいわゆる食品の緩衝能と,緩衝能曲線との関係について考察を加えた.<br> (5) P区において緩衝能を示す調味料成分の本体について考察した.

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こんな論文どうですか? 緩衝能曲線記録装置とその応用 II  調味料の示す緩衝能曲線(辻 啓一),1982 http://t.co/n3yOXUENds
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