著者
伊東 俊夫
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.349-352, 1992
被引用文献数
6

副腎皮質ホルモン剤投与中に柴苓湯を併用したところ, 血清補体値が正常化し, 副腎皮質ホルモン剤の減量が可能になったSLEの症例を経験した。21歳, 女性。平成2年5月より全身倦怠感, 食欲低下, 発熱, 多発性関節痛, 皮疹が出現, 入院。水着の露出部にほぼ一致して皮疹あり。軽度の貧血とリンパ球数の減少, 軽度蛋白尿陽性, 軽度の肝機能障害を認めた。抗核抗体, LE細胞, LEテストの陽性, 抗DNA抗体の増加, 血清補体C3値の低下を認めた。lupus band test 陽性。SLEと診断し, プレドニゾロン30mg投与を開始。解熱, 関節痛, 皮疹消失。血清補体値の正常化, 抗核抗体, 抗DNA抗体の低下を認めた。プレドニゾロンを漸減したところ, 血清補体C3値の低下を示し, 柴苓湯を併用したところ, 血清補体C3値が正常化したので, さらに漸減可能になった。SLEの治療において, 副腎皮質ホルモン剤の効果が不十分な場合や減量の際に柴苓湯の併用を考慮されるべきと思われる。

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