著者
民上 良徳
出版者
JAPANESE SOCIETY OF PERIODONTOLOGY
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.9-43, 1983

歯周治療にとって破壊された歯周組織の改善, とくに吸収された歯槽骨の再生を促すことはポケットの処置とともに非常に重要なことであり, それを移植法にゆだねる試みがなされている。そこで私は経済的で, 滅菌, 保存が容易であり, 操作が簡単な移植材料として, plaster of paris に着目し, 成犬下顎歯槽骨中に実験的に骨欠損窩洞を形成し, 凝結反応が完了して物理化学的に安定した plaster of paris を disk 型に規格して implant を行い, いかなる経過をたどるかをエックス線規格撮影装置を考案作製してエックス線写真による検索を行ない経週的に追跡した。同時に撮影装置の再現性の検討や, 同一生体内歯槽骨中での実験側, 対照側のエックス線写真分析さらに病理組織学的検索を行ったところ組織偽害作用を示すこともなく, その有用性が明らかとなった。

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