著者
谷 聖美
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.84-99,206, 2002

社会党は,60年代に入ると停滞し,その後は長期低落の道をたどった。この停滞と衰退をめぐってはさまざまな原因が指摘されてきた。なかでも,党の非現実的イデオロギーが党の適応力を奪ったという見方はもっとも一般的なものであった。<br>本稿は,衰退の原因をめぐる諸々の説明を逐一検討し,それらの多くが必ずしも説得力を持たないことを明らかにする。ついで,選挙におけるこの党の集票戦術を分析し,労組依存に安住して個人後援会などの集票組織の構築に努力しなかったことが衰退の一因であることを示す。さらに,片山•芦田内閣失敗の負の影響はあったものの,この党の連合戦略と政策展開は60年代中葉までは巷間いわれているよりもずっと現実的で,党が活力を失ったのは,そうした現実派が党内抗争で社会主義協会などの教条的左派に敗れたあとになってからのことであることを指摘した。

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