著者
今川 民雄
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-6, 1985

本研究は, 好ましい他者の価値態度を認知する際, 仮定された類似性が実際の類似性よりも大きいという仮説を, 3種類の指標に基づいて検討すると同時に, 3種の指標間の関連についても検討した。<BR>被験者は大学生の男女50名づつ計100名である。価値態度はGordon &菊池 (1974) の個人的価値尺度 (KG-SPV) を用いた。実験は集団で行なわれ, 被験者は2部のKG-SPVテスト用紙に, 自己の価値態度と, 同じ大学内で最っとも好ましい同性の友人の価値態度についての推測を, 別々に記入した。<BR>結果は, (1) 個人内の相関係数に基づく指標, (2) 個人内の価値態度別の, 評定間の差の絶対値に基づく指標, (3) 価値態度別の全体の相関係数に基づく指標の3種の指標によって分析された。結果は次の通りである。<BR>1) 仮定された類似性が実際の類似性よりも大きいという仮説は, 3つの指標のいずれにおいても支持された。<BR>2) 3種の指標間の関連を検討したところ, 差の絶対値に基づく指標と全体の相関係数に基づく指標との間には密接な関連が見られた。しかし, 個人内の相関係数に基づく指標は, 他の2つの指標とは関連がみられなかった。

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CiNii 論文 -  好ましい他者の価値態度の認知:仮定された類似性をめぐって https://t.co/iH1KrWSAcq

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