著者
坂田 宏 丸山 静男
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.5-8, 1991

1990年9月から12月までにNICUに届けられ, 冷凍庫に1~6日間保管した凍結保存人乳100検体, 当日調乳した人工ミルク30検体, 凍結保存人乳で栄養された極小未熟児・超未熟児15名からの糞便を, のべ60検体を採取し細菌培養を行った.<BR>凍結保存人乳の98例から<I>Staphylococcus epidermidis</I>が検出され, うち86例は10<SUP>3</SUP> CFU/m<I>l</I>以上の菌数であった.<I>Staphylococcus aureus</I>は5例から検出され, 4例は10<SUP>3</SUP> CFU/m<I>l</I>以下の菌数であった. グラム陰性桿菌は15例から9菌種24株が分離された. もっとも多かったのが<I>Klebsiella pmeurmoniae</I>で8例, ついで<I>Acinetobacter calcoaceticus</I> 5例であった. 10<SUP>3</SUP> CFU/m<I>l</I>以上の菌数で検出されたグラム陰性桿菌は12例17株あり, 10<SUP>4</SUP> CFU/m<I>l</I>以上の菌数を示したのは4例4株で, <I>K. pneumoniae</I> 2例と<I>A. calcoaceticus</I> 2例であった. <I>Candida</I>は4例から10<SUP>2</SUP> CFU/m<I>l</I>以下の菌数で検出された. 調乳した人工ミルクでは<I>S. epidermidis</I>が4例に10<SUP>2</SUP> CFU/m<I>l</I>以下の菌数で検出された.<BR>糞便から検出されたグラム陰性桿菌では<I>Escherichia coli, Enterobacter cloacae, K. pneumoniae, A. calcoaceticus</I>が10%以上の検出率であった. その他の凍結保存人乳から検出された菌種は検出率は低かったがすべて糞便からも検出された.

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