著者
茶珍 和雄
出版者
一般社団法人 日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.173-178, 2000
被引用文献数
21

バナナ (MUSA SPP.) は熱帯地域において重要な経済果実である。他の熱帯果実のように, バナナ果実は熟成中に生理的障害をしばしば現す。老化斑点はバナナの生理的障害のなかでも広く分布してみられる。老化斑点はバナナ果実が望ましい食味になる果実熟成の後期に発展する。AAグループのバナナ果実は最も老化斑点を示す。CarbendazinやProchloraz溶液を袋をかけた, あるいはかけないバナナの房に収穫前に噴霧するか, あるいは収穫後にbenomylやprochloraz溶液に浸漬しても, 老化斑点の程度は軽減しなかった。果実先端に緑色を残した黄色果 (グリーンティップ) 対する大気組成の変更, 果皮表面の塗布, 低温, 高温などの処理は老化斑点を非常に抑制したが, 果実の熟成過程や食味はとくに変わることはなかった。

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