著者
高槻 成紀
出版者
THE MAMMAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
哺乳動物学雑誌: The Journal of the Mammalogical Society of Japan (ISSN:05460670)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.183-191, 1983
被引用文献数
3

1973年10月から1977年10月まで, 金華山島において, シカによる群落に対する選択性を調べた。<BR>1.神社周辺のシバ群落を利用するシカは餌づけされており, 密度は800頭/km<SUP>2</SUP>にも達する。<BR>2.これ以外の野生・半野生状態のシカによる群落に対する選択性は, アズマネザサ群落とシバ群落で最も大きく, ススキ群落やワラビ群落ではその半分から3分の1程度であった。イヌシデ群落やブナ群落などの落葉広葉樹林ではさらに小さく, モミ群落, クロマツ群落, スギ群落などの針葉樹林で最も小さかった。<BR>3.この結果とその季節変化から, シカのハビタット選択には群落のエサ供給量が最も主要な要因であると結論した。ただし, この他に微気象要因やシカ内部の社会・行動的な要因が重要になることもあった。

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