著者
高崎 智彦
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.114-116, 2011

チクングニア熱はチクングニアウイルスを原因とする蚊媒介性急性熱性ウイルス性疾患である。時に激しい関節痛,発疹を伴う。近年,アフリカ,南アジア,東南アジアの熱帯・亜熱帯地域を中心に流行が報告されている。2007年には温帯地域で初めての流行がイタリアで確認され,さらに2010年9月にはフランス南部においても国内流行が発生した。イタリア,フランスにおけるチクングニア熱の国内流行は日本にも生息しており活動の活発なヒトスジシマカにより媒介されているため,チクングニアウイルスの日本への侵入,定着の可能性は否定できない。平成23年2月1日付けで「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律」で4類感染症全数把握疾患に指定された。当該患者を診断した医師はただちに保健所を経由して都道府県知事に届け出ることが求められる。また,同時に検疫法にも検疫対象疾患として指定された。

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