著者
石井 好二郎
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学 (ISSN:03705633)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.344-349, 2005

近年, スポーツサイエンス領域に臨床検査は重要な役割を果たしている。特に, 競技スポーツは高度化が進み, より高い科学性に基づいたコーチングやトレーニングが不可欠になり, 臨床検査データが受け入れられるようになった。また, 測定機器の簡便化・廉価化, 測定方法の低・非侵襲化により, 臨床検査データをより身近に使用できるようになったことも, 臨床検査の進歩の結果といえる。さらに, ドーピングコントロールにおける検査技術の進歩は, 不正行為の検出に多大な貢献をした。しかしながら, 巧妙化するドーピングは臨床検査の研究者の協力なくしてはありえない。今後, さらに臨床検査のスポーツへの関わりは増えるものと思われる。医の倫理のみならず, スポーツ倫理の教育・啓蒙も重要視しなくてはならない。

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