- 著者
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奥 健太
服部 文夫
- 出版者
- Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
- 雑誌
- 知能と情報 (ISSN:13477986)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.1, pp.524-539, 2013
- 被引用文献数
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近年,推薦精度以外の評価尺度を重視した推薦システムに関する研究が注目されている.推薦精度以外の評価尺度の一つであるセレンディピティは,推薦システムがいかにユーザにとって意外かつ有用なアイテムを発見できるかを表す評価尺度である.本研究では,セレンディピティ指向情報推薦システムとしてフュージョンベース推薦システムを提案する.提案システムは,外発的および内発的偶然を発生させる機構をもち,ユーザがこれらの偶然の中から価値あるアイテムを察知できるような仕組みをもつ.我々は,セレンディピティ指向情報推薦においては,これらの機構をもつインタフェースを要件としたシステム設計が必要であると考える.提案システムは,ユーザが任意に選択した二つのアイテムを混ぜ合わせることで,セレンディピティなアイテムを発見するという,フュージョンベースアプローチの考え方に基づく.本研究の貢献は次のとおりである:セレンディピティ向上のためのフュージョンベースアプローチを適用した推薦システムを提案した.実際の楽天ブックスの書籍データセットを用いた被験者実験による推薦システムの有効性評価を行った.既存の推薦システムの一つである Amazon とのセレンディピティの観点から比較評価を行った.