著者
鈴木 覚 後藤 義明 北村 兼三 高梨 聡 岡野 通明 野口 宏典 大谷 義一 坂本 知己
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.32-36, 2013

平成24年5月6日に茨城県常総市からつくば市にかけて竜巻が発生した。つくば市山木地区と平沢地区の森林被害を調査した。平沢地区の標高50∼130 mの斜面に, 直径250∼300 mの円形の被害発生領域がみられ, この円形領域で竜巻が消滅したと考えられた。この竜巻が消滅した地点を除き, 次の特徴がみられた。 (1) 壊滅的な被害は100 m前後の幅で発生し, これは竜巻のスケールを反映していると考えられた。 (2) 広葉樹を主体とした森林や強風被害を受けにくい条件を備えた森林とも壊滅的な被害を受けたことから, ひとたび竜巻の経路にあたれば, 林況にかかわらず壊滅的な被害が生じると考えられた。 (3) 倒木は竜巻経路の中心に向かって倒れる傾向がみられた。これは竜巻による強風の特徴である風の収束を反映していると考えられた。

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